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SKLT08

ワンポイントアドバイス:「市場」を意識しよう
さて、今日は皆さんにちょっとしたアドバイスをしたいと思います。

これまでに応募されたビジネスプランを見ていて、気付いたことは、皆さんがあまり「市場」(しじょう、です。いちば、じゃないですよ)を意識していないな、ということです。

「新しいビジネスプランを作る」といったときに、どうも皆さんは「新しい商品やサービスを作る」ことばかり考えてしまうようです。それはもちろん大切なのですが、会社として事業を大きくしていくということを考えると、「どれだけ、いくら売るか」ということを考える必要があるのです。極端な話、どんなに良い商品を考えることができたとしても、1年間に10個しか売れなかったら、会社としては成り立たないわけですから。

「市場」の定義については経済学の教科書でも見ていただくとして、ここでは皆さんの商品やサービスを買ってくれそうなお客さんの集まり、だと考えてもらうと、分かりやすいと思います。

ヒゲそり用のカミソリ(シェーバー)の市場を例に考えて見ましょう。

この商品を買ってくれるお客さんは、男性しかいませんよね。
しかも、子供はヒゲをそる必要がありません。だいたい高校生以上ということになります。
そうすると、日本の高校生以上の男性が、市場ということになります。おそらく5000万人くらいいるでしょう。

その商品が電気シェーバーであれば、さらに市場は狭くなります。
毎日ヒゲをそる必要があるのは、18歳~70歳の社会人男性が中心になるでしょう。また、商品が高額なので一定以上の所得が必要かもしれません。感覚的には、4000万人くらいかな?

次に、市場規模を考えてみましょう。
上記の4000万人の中には、電気シェーバーを使わない人もいるでしょう(ちなみに私は、ウェットシェービング派です)。電気シェーバー派が50%として、 2000万人。この人たちが、3年に一回買い換えるとすると、だいたい年間で660万台が売れるわけです。これが台数ベースの市場規模ですね。平均単価を 2万円と仮定すれば、金額ベースの市場規模は1320億円ということになります。

これが、日本で電気シェーバーを売った場合の1年間の売上高の限界値です。
これ以上の売上を上げることは、できません。

次に、ここから何パーセントのシェアを獲るか、ということを考えます。
新規参入するのであれば、知名度もありませんし、販路も限られています。
仮に1パーセント獲れたとしましょう。
そうすると、初年度の売上は、台数ベースで6万6千台、売上ベースでは、業界平均の2万円で売れたとして13億2千万円です。実際にはもう少し安くしないと売れないかもしれない。10億円くらいかな。

こんな風に、市場から考えていくと、だいたいの事業規模がイメージできます。
そうすると、次から次へ、いろいろと考えていくことができます。
初年度で6万台以上売るには、どんな販路が必要だろうか?
幾らくらいの価格にすればよいだろうか?
ターゲット顧客はどの層にすればよいだろうか?
生産や物流はどうすればよいだろうか?
運転資金は足りるだろうか?

それから、事業の成長についても、いろいろと考えることができます。
どのようにシェアを広げていくか?何%くらいで頭打ちになるか?
これ以上市場は大きくなるだろうか?
海外市場に展開できないか?最初に出て行くとしたら、どの国がよいか?
他の市場を見つけられないか?例えば、女性向けのシェーバーは?

いかがでしょうか。
市場を意識するだけで、事業についていろんなアイデアが沸いてきますね。
もちろん、問題点や課題も見つかることでしょう。

電気シェーバーでは、人の属性(デモグラフィック)から市場を考えることができました。この場合は、わりと単純に市場を推計することができます。コンビニや居酒屋さんであれば、地理的な特性から市場を考える必要があるでしょう。最近では、サイコグラフィック(心理学的属性)といって、価値観や好み、ライフスタイルなどから市場を考えるケースも出てきました。

是非、この機会に皆さんのビジネスの市場について考えてみてください。